本の内容
第二次世界大戦のあと、中国などの戦地から帰れず、寒い所で強制的に働かされていた日本人がいたことを知っていますか?わずかな食べ物で、きびしい労働を強いられたため、たくさんの人たちが亡くなっていきました。そんなつらい日々のなか、一匹の子犬が現れます。子犬は、人々の心に、やさしさやぬくもり、そして生きる力を与えてくれたのです—。犬と人間の、感動のノンフィクション。
目次
はじめに
第1章 こおりついた大地で
第2章 黒いひとみの人気もの
第3章 千二十五人プラス・ワン
おわりに
【絵本ナビより】
絵本ナビメンバーの声
戦争が終わって10年もの間日本に帰れなかった人たちがいた。シベリアに抑留され、戦争が終わっても捕虜(?)として強制労働を強いられていた人たちがいた。事実でありながら歴史に埋もれてしまって、戦争の話題からは切り離されてしまったような人たちがいた。何よりも、この本はそのことを伝えるために書かれた本だと思います。抑留と強制労働を強いられてきた日本人は、生きるため、日本に帰るという希望を失わないために助け合ってきました。そして、打ちのめされそうになったときに助けてくれたのが一匹の犬。抑留兵たちの努力で一緒に生活するようになった子犬は、クロと名付けられます。彼らの生活の中で支えとなり、彼らが助け合える力となりました。一匹の犬の力がこれだけすごいのだということに感動です。最後の抑留兵1,025名が日本に帰還できる時がやってきました。クロと離れがたい川口さんがクロを外套に隠して列車で一緒に移動してきたことが次の感動を呼びます。乗船させてもらえなかったクロは、船が出港するや氷の海に飛び込んで、船を追いかけ始めるのです。犬の習性といえばそれまでかもしれません。そんなクロを助け上げた人々も素晴らしい。日本に帰国して、クロは抑留兵たちとは離別させられました。ノンフィクションだから、淡々としています。それでもクロが幸せに暮らしたということにホッとさせられます。事実の重みを感じるお話です。動物愛護と戦争の悲惨を痛感させてくれる本です。(ヒラパパさん 50代・千葉県市川市 男の子14歳)
【情報提供・絵本ナビ】
著者情報
井上 こみち
埼玉県生まれ。日本児童文芸家協会会員。『カンボジアに心の井戸を』(学研)で第28回日本児童文芸家協会賞受賞。多数のノンフィクション作品がある
※本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです
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