本の内容 1928年、28歳のヘミングウェイは、キー・ウエストに居を移した。戦争と革命と大恐慌の’30年代、陽光降り注ぐこの小島に腰を据え、気鋭の小説家は時代と人間を冷徹に捉えた数数の名作を放ってゆく。本書は、経験と思考の全てを注ぎ込んだ珠玉短編集『勝者に報酬はない』、短編小説史に聳える名編「キリマンジャロの雪」など17編を収録。絶賛を浴びた、新訳による全短編シリーズ第2巻。 ISBN 978-4-10-210011-0 みんなのクチコミ
★★★★★ 「The Winner take nothing.勝者に報酬はないーとヘミングウェイは書くが、登場人物のうち、真の勝者とは一体誰だと彼は言うのか?ヘミングウェイが貫いた信条「人は打ちのめされることはあっても、敗北することは決してない。」を点綴したヘミングウェイ畢生の名作「嵐のあとで」、「世の光」などを含む中期短編集。さればといって、敗者への眼差しも厳しい、これが本当のハードボイルド。
★★★★★ キー・ウェストで知り合ったソンダーズ船長から聞かされた冒険譚をもとにした「嵐のあとで」、「われらの時代」に収録の「雨のなかの猫」同様、男女の会話のみで二人の心の中を見事に描写している「海の変化」、自身の戦争体験をベースに『死と虚無』を描いた「最前線」、「ニック・アダムスもの」の最終章というべき「父と子」、作家として最盛期を送っていたこのころのヘミングウェイ作品を代表する「キリマンジャロの雪」など、ここに収録されているのはどれも珠玉の短編ばかり。 その中でもとりわけ僕が気に入ったのは、外面描写に徹しつつも、その行間から登場人物の心象風景をにじませる「清潔で、とても明るいところ」と、サファリでの狩猟体験をもとに『勇気と臆病の本質』、『男女の力学』を見事に描きあげた「フランシス・マカンバーの短い幸福な生涯」。未読の方はぜひご堪能あれ。
★★★★☆ 文豪・ヘミングウェイの秀作、”キリマンジャロの雪”だね。あまりの口調にひどい男だ、と思うかもしれない。けれど彼は死の瀬戸際にある。傍らにいるヘレンを口汚く罵り、自らを呪い、全てを放棄し諦めたあと、彼はまるで夢を見るようにこれまでのバカンスを思い浮かべる。延々と続く悪夢のような現実と交互して、美しい風景が蘇る描写と言ったら!まるで映画そのものを見ているような気分になるよ。そして、この作品の素晴らしさはラストシーンにある。悪夢が一瞬の楽園に変わる瞬間さ。ぜひ、この感動を味わっておくれ。
★★★★☆ 新潮文庫から出ているヘミングウェイ全短編集。全部で3巻。 新着クチコミ   クチコミはまだありません。 この商品を取り扱っている専門店 |
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