本の内容
本書は、近親交配の影響や遺伝的多様性の消失から、分類学的問題、絶滅危惧種の遺伝的管理、さらには法生物科学や種の生物学的問題の解決における分子遺伝学的解析の利用に至るまで、保全遺伝学を構成する主要な内容をすべて含んでいる。また本書の最後では、保全遺伝学と、より広い内容を含む保全生物学とのつながりを探求する。
野生生物の進化の可能性を維持する保全計画に不可欠な、分子生物学と集団遺伝学の基礎をわかりやすく解説。生態学を学ぶすべての人に。
著者情報
Frankham,Richard(Frankham,Richard)
Macquerie大学(オーストラリア、シドニー)生物学教授。ショウジョウバエを用いた量的遺伝学の研究で世界的に知られる。1990年代初頭より保全遺伝学の研究に転じ、この分野の基盤形成、発展に大きく寄与した
Ballou,Jonathan D.(Ballou,Jonathan D.)
スミソニアン研究所国立動物園(アメリカ合衆国、ワシントンDC)の集団管理責任者、Maryland大学教員。絶滅危惧種の小集団の実践的管理のための科学的基礎の構築に努め、その成果は野生生物の保全管理に活用されている
Briscoe,David A.(Briscoe,David A.)
Macquerie大学(オーストラリア、シドニー)生物学准教授。Frankham教授のショウジョウバエの研究に携わるとともに、イワワラビー類、カギムシ類、粘菌類の研究にも参加。優れた教育者としても知られる
西田 睦(ニシダ ムツミ)
東京大学海洋研究所教授。1947年京都府生まれ。水圏生物の分子進化生物学を専門としている。これまで魚類を中心に、頭索類、甲殻類などについて、分子集団遺伝学的・系統地理学的研究、分子系統学的研究、分子系統枠を土台にした形質進化の研究などを行ってきた。最近では、大規模なDNAデータセットによる包括的系統解析、生態・行動・種分化にかかわる可能性のある遺伝子群のゲノム科学的研究などにも取り組んでいる。こうした研究から得られる知見を保全にいかに生かすかということにも深い関心をもっている
高橋 洋(タカハシ ヒロシ)
独立行政法人水産大学校助手。1973年兵庫県生まれ。トゲウオ科魚類、特にトミヨ属の種分化プロセスを研究中。はじめにしっかりとした種系統を把握し、集団遺伝学や生態学のデータを織り交ぜながらじっくり解明していくのが好み。湧水環境の悪化により、各地でトゲウオ科魚類の個体群が衰退していることから、その保全に向けた活動も行っている
※本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです