本の内容
名古屋市出身の作家・清水義範氏が伊勢湾台風の体験を基に書いた、中日新聞好評連載小説を単行本化
名古屋市中心部を流れる堀川を主な舞台に、庶民の暮らし、伊勢湾台風との闘いを人間味あふれるタッチで描いています。
主人公は小学4年生の丹羽正太、同級生伊藤良一とそれぞれの家族、担任教師池上玲子、消防署員猪飼真一ら街に暮らす人々。名古屋市出身の清水さんの体験が基になっているだけに、当時の生活感や価値観がたくみに著されています。名古屋弁がふんだんに用いられているほか、名古屋空襲、名古屋城再建の話も盛り込まれています。
<著者あとがきより>
ーこの小説の主人公は名古屋という街そのものである。伊勢湾台風という未曾有の大災害に対して、名古屋の人々はどう対処したのか、どう助け合ったのか、どう立ち直ったのかを書いたつもりだ。自分の、あの台風のときの被災体験をもとにして、あの時代が色鮮やかによみがえってくる小説にしようとしたら、とてもラクにすらすらと書けた。それは私が名古屋の人々のことをよく知っているし、愛しているからであろう。
伊勢湾台風の時の記憶が風化してしまう前に、この小説を書くことができて良かったと思う。ー