どうやって描いているのか教えていただく前に、まず、ここには、紙はたくさんありますけど、
鉛筆とか、絵の具とかが、見当たらないのですが…。
「僕は、下描きから完成まで、全部パソコン(フォトショップ)を使って描いているんですよ。
タブレットという台に、専用のペンを使って線を描けば、パソコンの画面に線が出てきます。だから、
編集の方に途中経過を見せるためにプリントアウトする以外は、一切紙を使いません。
すべてパソコンのモニターを見ながら作業をします。よく勘違いされている人がいるんですけど、
パソコン“で”描いているんですね。パソコン“が”描いてくれるんじゃないですよ。
紙と鉛筆と絵の具の代わりが、パソコンなんですね」
なるほど、では、実際にどうやって、ボノロンの絵を描いているのですか?
「まずは、下絵ですね。線だけで、お話の内容からイメージしたものを描いてみるんです。
僕はどちらかというと、お話の内容よりも、絵としてのカッコよさをついつい重視してしまいがちなんですけど、
少々カッコ悪くても、お話の世界観や内容や感動がよりたくさん読者の方に伝わることを重点において下絵を描いていきます」
下描きの次は……?
「カラースケッチといって、下描きの絵に、色をざっくりつけたものを作ります。これは、
全体のイメージを膨らませる上で重要な作業なんですね。ここで試行錯誤しながら、
いろんな色をおいてみて、ボノロンの世界感にあうような色彩のバランスを作り上げていくんです」
ここまでで、どれくらいの時間がかかるものですか?
「だいたい、ここまでの作業に2週間くらいですね。
基本のデザインの部分にあたるところなので、慎重にやっていくと、ついついそれくらいかかるんですね」
で、その後は?
「線画の細かい部分を描き込んでいって、そこに細かく細かく、
バランスを見ながら色を塗っていく作業になります。線の描き込みは、ある程度まで描き込めば納得するんですが、
色をおいていく(=色を塗っていく)作業は、ほんとキリがないんです。というのも、パソコンを使って描いているからなんですね。
ふつうの紙に描いていれば、紙が破けてしまえば終わりなんで、破ける手前で終わりにしないといけないでしょ。
でもパソコンだと、際限なく描き込めるし手直しできるし、ほんとキリがないんです。自分自身で納得できる段階まで仕上がっても、
まだどこか手を入れられるんじゃないかと思って、ついつい描き続けてしまいます。いまはこの作業には1ヶ月以上かけていますけど、
本当はもっともっと描き続けていたいんですよ」
では、実際には、どういうタイミングで終わりにするのですか?
「いちおう締め切りがあるので、最後は編集の方に取り上げられるまでです(笑)」
永山先生の実際の作画の流れをいろいろとお聞きしてきましたが、
ボノロンを描いているときの楽しみは何ですか?
「まぁ、絵を描くこと自体好きですから、基本は楽しいですよ。あと、作画中は、壁にボノロンの絵を貼り付けておくんです。そうすると、どこを見てもボノロンが目に入る。たくさんのボノロンに囲まれながら、コツコツとボノロンを描いているときが、幸せですね」
では逆に、描いているときの苦労は?
「そうですね。やっぱりさっきも言ったように、パソコンを使っているから、描き込みや塗り込みにキリがなくて、
自分がベストだと思えるまで、何度も何度もやり続けなければならないことですかね。これは僕の性格なんですけど、
ほんと自分が納得いくまでは、ずっと描き続けていないとイヤなんです。学生に『どうやったら絵がうまくなりますか?』とか
『絵のうまいへたは、やっぱりもってうまれた才能によるんですか』と聞かれることがあるんですが、
僕は絵がうまくなるかどうかは、才能があるなしよりも、絵がうまくなりやすい性格かどうかだと思うんです。
どんなに絵の才能がある学生でも、美術の授業にちょこっと絵を描いて、
それで満足したり飽きてしまう性格だったら、そこまでなんですね。
授業が終わってからも完成するまで時間を忘れてついつい下校時間まで描き続けてしまうコリ性な性格のほうが、
絵はうまくなると思いますね。もちろん僕もそうだったんですけどね(笑)」
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最後に、永山先生からボノロンのファンの皆様にメッセージを!
笑ったボノロン、泣いたボノロン、おこったボノロン……いままでたくさんのボノロンを描いてきましたけど、まだまだ僕が描きたいボノロンがたくさんあります。これからも、かっこよくて、すてきなボノロンを描いていくので、
応援してくださいね。