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こおろぎ さん
コーナー
変形の記録
「変形イメージ」と「無時間性」をテーマに、安部公房・澁澤龍彦から、ガルシア=マルケス・アポリネール、ギリシア悲劇まで、私の好きな本を集めてみました。気軽にお立ち寄り下さい。
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密会
安部公房/著、新潮社
販売価格:460円
ポイント:4ポイント
◆それ自体が巨大な迷路のような「病院」の中で、失踪した妻を捜す男。奇形な人々の間を彷徨ったのち、男が行き着く先は、愛の地獄。一般的にはあまり評価されていないようですが、私は安部公房の作品のなかでこの作品が一番好きです。
(オススメ度: ★★★★★ (5点/5点満点) 2003/11/01更新)
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第四間氷期
◆私たちの生を限定する「時間」というものに対して、真正面から向き合った作品。我々は「今」から切り離されて生きることが出来るのか。SF小説というスタイルを採ることによってのみ表現し得た絶望的な世界です。ラスト・シーンの美しさも印象的。
(オススメ度: ★★★★★ (5点/5点満点) 2003/05/18更新)
無関係な死 時の崖
◆「夢もとけるような 暑い日に 私はおかしな夢をみた 帽子だけが戻ってきた 昼下がり? ・・・・・・」脱走兵となった息子を追う老巡査・・・結末は静かに訪れる。一編の詩のような作品「夢の兵士」がこの短篇集の白眉です。他にも「無関係な死」「誘惑者」「使者」など完成度の高い短篇を収録。
(オススメ度: ★★★★ ☆ (4点/5点満点) 2003/05/18更新)
水中都市・デンドロカカリヤ
◆後期の作品にくらべて寓意性の強いきらいがありますが、「赤い繭」の系統を引く変形譚「デンドロカカリヤ」や、糸車にまきこまれてジャケツ(この響きも実に公房的!)になってしまう老婆の登場する「詩人の生涯」などには独特の詩的な美しさを感じます。詩人・安部公房を感じさせる初期短篇集。
(オススメ度: ★★★★ ☆ (4点/5点満点) 2002/02/27更新)
R62号の発明 鉛の卵
販売価格:500円
◆ロボットにされた男を描いたタイトル作「R62号の発明」や、星新一のSF作品を彷彿とさせる「鉛の卵」などを収録した短篇集。安部公房はとっつきにくいと思っている人にも比較的読みやすい短篇集だと思います。当書店の店名はこの本に収録されている短篇から採りました。
(オススメ度: ★★★★ ☆ (4点/5点満点) 2001/12/18更新)
2874.ユーティリー(インディゴ)
日本ビジネスプ
販売価格:672円
◆安部公房の最後の作品。死がせまった作者の心象風景を映したかのような不穏な空気に満ちた「あの世」への旅。公房独特の寓意やユーモアに満ちた作品ですがラストの場面には従来の彼の作品にはない突然、突き放されたような恐ろしさ・寂しさを感じます。
(オススメ度: ★★★★★ (5点/5点満点) 2001/12/18更新)
方舟さくら丸
販売価格:620円
ポイント:5ポイント
◆安部公房の変態性がよく出ている作品。「箱男」「密会」などの作品を経る獲得していった自由闊達な筆致が存分に生かされています。ただし、あまりに自由すぎて、70年代くらいまでの作品のファンには少し抵抗があるかも知れません。なお、本作に関しては、『死に急ぐ鯨たち』に、著者自身の詳しい解説があるので、併せてどうぞ。
(オススメ度: ★★★ ☆☆ (3点/5点満点) 2004/07/04更新)
壁
◆ある日突然名前を失ってしまうというカフカやゴーゴリの作品を思わせる書き出しの「S・カルマ氏の犯罪」、自分の体が糸になり赤い繭となってしまう「赤い繭」。初期公房の持つ特異な変形譚のイメージには抗し難い魅力があります。現代でもその前衛性が色褪せない芥川賞受賞作。
(オススメ度: ★★★★★ (5点/5点満点) 2001/12/23更新)
砂の女
◆安部公房の代表作として余りにも有名。海外での評価も高い本作ですが、この明確な構成は、公房本来の作風からは少し離れている感じがします。もちろん内容は申し分ありません。現代世界において「自由」が抱える両義的性格を描いた小説として、幅広い読者に受け入れられる作品だと思います。公房が苦手な人にはおすすめ。でもこれが公房の全てではないので悪しからず。
(オススメ度: ★★★★★ (5点/5点満点) 2004/07/04更新)
箱男
販売価格:420円
◆見るものと見られるもの、書くものと書かれるものの倒錯関係が「箱」という道具を通して描かれたメタ小説的な作品。後半部の目まぐるしい展開は圧巻です。数ある公房の作品の中でも特に傑作の重みを持つ本作ですが、公房初心者や、この手の小説を読みなれていない人には少々辛いかも。でも、幾度かチャレンジしてみるだけの価値はありますよ。
燃えつきた地図
販売価格:580円
◆顔の見えない空間=都市を舞台に、失踪した男を捜す探偵が、いつのまにか自ら失踪者になってゆくという安部公房十八番のテーマを扱った作品。話の展開が比較的単純で分かりやすく、それでいて公房の作品の持つ魅力をあますところなく伝える本書は、公房初心者に特におすすめです。カバー・デザインもいい感じ。
(オススメ度: ★★★★ ☆ (4点/5点満点) 2004/02/05更新)
友達・棒になった男
◆突然見知らぬ家族が家にやってきて自宅を乗っ取ってしまう「友達」、日常世界の裂け目を描いた「棒になった男」、独自の視点から歴史を読み換えた「榎本武揚」など安部公房の代表的戯曲を収録。注目すべきは公房自作の「友達のブルース」の楽譜が載っていること。公房ワールドを「音」で体感できます。着メロにするのもアリです。
(オススメ度: ★★★★ ☆ (4点/5点満点) 2003/12/15更新)
死に急ぐ鯨たち
◆論文・エッセイ・インタビュー・写真などからなる評論集。しばしば「難解」といわれる彼の作品の創作の秘密にせまります。特に「密会」や「方舟さくら丸」などの自作や、ガルシア=マルケス、カネッティなど同時代の作家に関するコメントは興味深いです。現在は絶版。
終りし道の標べに 真善美社版
安部公房/〔著〕、講談社
販売価格:1,029円
ポイント:9ポイント
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